アルファとオメガ
ラグビー日本代表の試合を見ていた。
試合自体はエキサイティングなものであり、初心者である自分も意外と楽しめるものであったが、実況ツイートの中にちょっと気になる一文を見つけた。
「アルファ雄しかいないスポーツだな」
そもそもアルファ雄とは。
アルファ雄:群れで一位のオスの事。アルファ雄を頂点にしたこの社会的な結合はメイルクラスターと呼ばれている。
参考:http://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/ChimpHome/shakai.html
なるほど群れのリーダーになりそうな雄をそう指すらしい。
屈強な体格。精悍な目つき。強いメンタル。こうして見るとラグビーというのは胸がすくぐらいアルファ雄専用のスポーツに見える。少なくとも何も知らない自分にとっては。
それでは 貧弱な体格、生気の無い目、虚弱なメンタル。これらを兼ね揃えた者は何なのだろう。
アルファ雄の”アルファ”がギリシャ文字の最初の文字から来ていることからすれば、
ギリシャ文字最後の一文字を取って”オメガ雄”となるのか。
集団で序列最後の存在。全てを捨て去った最終形態。
以前紹介した「中年童貞」がそれに該当するのかもしれない。
アルファ雄同士の血で血を洗うようなぶつかり合いを見ながらそのような事をぼんやりと考えていた。
無題
時々、ふっと母校を訪れたくなる。
数は減りこそすれ、今でも母校は変人の巣窟だ。
ある教師が「世の中に馴染めない人、変わった人が居てもいいと思います」という感想文を一瞥し「変わった人が”いてもいいと思います”じゃないんだよ。”いる”んだよ」と言い放ったtweetがバズっていた(原文tweetは検索しても出てこなかったので誰か教えてください)。
本来「存在すること」は誰の許可を得る必要も無いものであるべき筈なのに我々はいつもそれを忘れる。
「変人」は誰の許可も得ない。
彼らに出会うと剥き出しの存在が迫ってくるようで安心する。
会社には年中アロハシャツの天才数学者も、全身オレンジ色のペイントを施し路上で宴会を開く者も居ない。入社する時点でそのような者は淘汰されてしまうからだ。
皆挨拶を欠かさず、非礼があれば咎め、遅刻はせず、勤勉に働いている。
「個性的な人材を求む!」という企業のメッセージはもはや虚しい。
変人になれなかった自分は明日も身だしなみを整え定刻通り会社に行き、きちんと挨拶をし、与えられた業務をこなす。
だから時々母校を訪れ、剥き出しの存在を一身に浴びたくなる。
ルポ 中年童貞/中村淳彦
言わずと知れた名ルポ。
強烈な中年童貞が次々と登場し、読者の心を抉る。
坂口:小太り、実家暮らし、中卒の3冠王。1枚の報告書を携帯片手に(文章を書いたことが無い?)鉛筆なめなめして半日かけて書いたというエピソードが哀愁を誘う。
風俗は怖いので行かないらしい。純潔を貫いているのか。お弁当屋さんのおねーちゃんへの初恋を20年経った今でも引きずるの、ぽたく特有の執着心の深さですね。
鈴鹿イチロー:童貞のまま死去したAV界のレジェンド。実家は神戸の大金持ちの家らしい。実家が太いのに本人がダメダメ過ぎてもにょる。営業職を「俺はこんな事するために生まれてきたんじゃない!」と言って3日で辞めてるのが最高。エベレスト級のプライドの高さは羨ましいところです。
ここまで書いたけど自分もしがない童貞のぽたくです。
「中年童貞を笑うとき、お前もまた中年童貞に笑われているのだ。」
誰もが心に中年童貞を飼っている。中年童貞 is all your mind.
全てのぽたくに幸あれ。